器に囲まれて思い出したこと〜温泉と美濃焼が教えてくれた、感性の整え方〜

皆さん、こんにちは!鮨畑(すしばたけ)です。今回は、岐阜県土岐市にある「とき温泉KAMABA」を訪れたときの出来事から感じた、寿司職人としての原点、そして“整う”ということについて綴ってみたいと思います。

一枚一枚の器がまるで語りかけてくるようでした。圧巻の入り口です。

器が主役になる場所に出会った

この日は、たまたま通りがかった温泉施設の外観に、思わず足を止めました。壁一面に敷き詰められた無数の器たち。色も大きさも模様もバラバラなのに、そこに確かに“調和”がある不思議な風景でした。

寿司職人として毎日使っている器。握った寿司を乗せるただの道具ではなく、お客様の「美味しい」という感覚にそっと寄り添う存在です。そんな器たちが、こうして主役になる場所に出会って、ふと心が動きました。

光を通すガラス皿は、まるで水のように静かに美しかったです。

温泉で「整う」時間を知る

器の展示に感動したあとは、温泉へ。とき温泉KAMABAの湯はナトリウム塩化物泉で、肌にやさしいなめらかさ。露天風呂、炭酸泉、寝湯、サウナ、水風呂、岩盤浴…。とにかく設備が充実していて、一日中いても飽きない空間です。

岩盤浴でしっかり汗をかいたあと、13℃の水風呂へ。その瞬間、頭が冴えるような感覚になりました。外気浴用のインフィニティチェアで空を見上げていると、「整う」という言葉の意味がすっと腑に落ちた気がしました。

感性の余白をつくる大切さ

寿司職人という仕事は、常に感覚との勝負です。魚の鮮度、手の温度、お客様の表情、会話の間。小さな変化を感じ取るには、自分の内側がちゃんと整っていないといけません。

けれど、忙しい日常では「自分の感覚を整える」ことを後回しにしがちです。今回のように、温泉に入り、器に触れ、静かな空間に身を置くことで、初めて取り戻せるものがあるのだと気づかされました。

器から思い出した“自分の原点”

壁に並んだ器を見ていたら、農家時代のことをふと思い出しました。岐阜・多治見のレストランに野菜を届けていた頃、美濃焼の器に盛り付けられた料理を見て「器の力ってすごいな」と感じたのが、最初の原体験だったように思います。

農業から寿司へ。道は大きく変わったけれど、「人の食卓に、記憶に残る時間を届けたい」という想いはずっと変わっていません。今回の旅で、その原点にもう一度立ち返ることができました。

皆さんも「整える時間」、つくっていますか?

日々の忙しさの中では、自分の気持ちを見つめる余白がなかなか持てません。でも、器に感動したり、湯に浸かって空を見上げたりするだけで、不思議と心がほぐれていきます。

皆さんもぜひ、土岐の器と温泉に触れに行ってみてください。そこで出会う何かが、あなたの中にある大切な感性をそっと呼び起こしてくれるかもしれません。

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私 鮨畑 は現在、笹塚「鮨川」で修行を続けながら、東京を拠点に出張鮨サービス・寿司握り体験を行っています。英語対応も可能で、海外からのお客様にも日本の食文化を届けています。

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