平井剛広の歩み - 農園から寿司の道へ
人生の転機と有機農業への道
32歳、サラリーマン生活に別れを告げ有機農業の世界へ飛び込んだきっかけは、私生活の変化でした。結婚して1年が経った頃、当時名古屋に住んでいた私たち夫婦。元妻は私のために勤め先の東京支店から名古屋支店へ異動してもらっていました。そんな中、会社の都合で私が関東へ転勤することになり、なぜか元妻が名古屋で一人暮らしをするという理解に苦しむ状況に直面したのです。子どももおらず、大きな決断ができるタイミングだと考えました。
実は当時からすでに農業への関心を持ち始めており、サラリーマン時代の週末には手伝いを受け入れてくれた農園へ通っていました。この経験と退社を機に、畑を借りるため実家のある岐阜県に戻ることを決意しました。
農業の日々
最初の半年間は前職でお世話になった会社でアルバイトとして働きながら師匠のもとで研修を受け、その後1年間はアルバイトを完全に辞め、師匠の元でみっちりと農業の基礎を学びました。
独立して岐阜県多治見市の地で「平井農園」を立ち上げ、50品目以上もの多様な野菜を丹精込めて育てる日々が始まりました。最初のお客様には当時の同僚や親友も含まれており、人としての温かさを感じる瞬間でした。
私の野菜たちは、厳選されたフレンチレストランやこだわりの強い飲食店、そして食への関心が高い個人のお客様へと届けられていきました。土と向き合い、季節の移ろいを感じながら1人で営んだ5年間は、人生における貴重な学びの時間となりました。
しかし、さまざまな事情により農園を閉じることになりました。その詳しい経緯については、YouTubeチャンネル「鮨畑」(旧:平井農園)にて公開しています。チャンネルの後半では、私のもう一つの趣味である自転車の動画も楽しんでいただけます。
予期せぬ転機と新たな道
農園を畳んだ後は、海外移住という新たな目標に向かって英語学習を始め、フィリピンへの短期留学も計画していました。しかし、畑の返却や廃業手続きを終えたその矢先、世界はコロナ禍に見舞われ、計画は白紙に戻ることとなりました。
突如訪れた「強制ニート」の時間を無駄にはせず、国内外の様々な場所を3年間にわたって旅することに。この旅の中で培った海外の友人との交流は、私の英語力を大きく向上させました。今では簡単な日常会話から、専門的な鮨の説明まで英語でこなせるようになりました。
鮨の道へ
コロナが落ち着き始めた頃、偶然「鮨の学校」の存在を知ります。「鮨を学べば、海外への道がまた開けるかもしれない」。そんな思いから、2023年に再び海外移住を目指すべく、鮨の修行の道を歩み始めました。
鮨の学校では比較的上位の成績を収め、特に大根の桂剥きではプロにも勝るほどの腕前を見せました。同級生のSさんには「平井さん、良かったですね!人生でやっと誇れるものができて」と冗談交じりに言われたことは、今でも良い思い出です。
現在の活動
現在は「鮨川」で修行を積みながら、さまざまな形で寿司の魅力を伝える活動をしています。
- 出張寿司サービス: 気軽に頼みやすい価格帯で、15品目を一品ずつ丁寧に提供するスタイル。お客様のご要望に合わせたカスタマイズも可能です。英語での対応も可能なため、海外からのゲストをお迎えする際にも安心です。
- 寿司握り体験: 手ぶらで簡単に参加できる気軽さが特徴です。現在すでに海外のお客様向けに鮨川で体験していただいているので安心してお任せください。しっかりと鮨の握り方をお伝えさせていただきます。
- 店舗での握り: 笹塚の鮨川では、火曜・水曜のディナータイムをメインに握りを担当しています。そのほかの日は出張案件(自宅、会社、イベントなど)で活動し、常に高いクオリティを維持しています。社長の厚意により、休日には個人での活動も許可していただいています。
英語との出会いと海外への想い
離婚を機に挑戦した人生初の海外一人旅。タイのホテルでデポジットの説明を受けた際、全く理解できずに受付の方を困らせてしまった経験が、私の語学学習の原点です。その夜、ホテルの部屋でYouTubeを開き、「I am」「I was」といった基本的なbe動詞から英語学習をスタートさせました。学生時代に勉強が苦手だった私は、基礎からのやり直しでした。
この経験が、後の英語力向上につながり、現在では海外からの観光客の方々と英語でコミュニケーションを取りながら寿司を提供できるまでになりました。
美を追求する姿勢
私は旅行に行く際、必ずと言っていいほど美術館を訪れます(ルーブル美術館は広すぎて全部見られていないので、また機会があれば訪れたいです)。美しさには様々な解釈がありますが、私自身の美的感覚を表現する舞台として、寿司がとても適していると感じています。
食材の持つ自然の美しさを引き出し、一つ一つの握りに美意識を込める。それは芸術作品を創るのと同じプロセスです。
今後の展望
現在の目標は、まず1人の寿司職人として自立すること。その後は、海外展開や新たなビジネスチャンスがあれば積極的に挑戦していきたいと考えています。
農業から寿司職人へ。一見異なる道のようですが、「作り手の想いを形にして人に届ける」という本質は変わりません。これからも日本の食文化を大切にしながら、国内外問わず多くの方に喜んでいただける寿司を提供していきたいと思います。
YouTubeチャンネル「鮨畑」では、私の農業時代から現在までの歩みを見ることができます。ぜひ覗いてみてください。
現在は「鮨川」で修行を積みながら、出張寿司サービス(英語対応出張寿司)、寿司握り体験(海外のお客様含む)を提供中!
また、笹塚の鮨川で火曜・水曜のディナータイムをメインに握っております。
